岸田真理子公式サイト「金星美術館」のblog、“準備室だより”です。作品展のスケジュールなどをお届けします。
サイト運営担当のyamamomoが作品に感じたことや引き出されたことなどを、“見る側”のひとりとして書いたりもしています。

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「お散歩」(銅版画)
受付係が病気でもしているんじゃないかとご心配くださっているみなさま。
すみません。ちゃんと元気にしております。

9月の後半くらいからでしょうか、あちこち行かなければならないことが続いていました。


  岸田真理子 銅版画「お散歩」 

   Special Thanks to: Ikezaki Tsuguhito



遠くへ行くとき――行った先で迷子になったり、時間が足りなくなったりしたら困るようなとき、出かける前にいっしょうけんめい、調べます。
よく調べておくと、失敗もしないしうまくいく。

でも、予定通りにかけ足で訪ね歩きながら、ちょっとつまらない気持ちになるのです。
はじめて歩く街角を、足の裏で確かめながら少しずつ知っていきたいのに、あの角を曲がってみたいのに、調べて“もう知っている”ものをなぞっているだけで終わってしまう。
なぞらなかった線のことを、わたしは知らないまま、そこをはなれる。

思っているところへまっしぐらに運んでくれる乗りものはとても便利なんだけれど、あんまり速いものだから、“いつも”と“特別”を、わたしはうまくつなぎ合わせることができない。

自分の足でとことこ歩いていけるところだけを、速くもなく遅くもないリズムで少しずつ知りながら過ごすほうが、だんだん深く知っていくほうが、ずっと世界の一部になれたように感じるのは気のせいではないと思います。

だって、今日の原っぱが、昨日の原っぱとはもう同じではないことを、自分の足や羽で行けるところだけで暮らしているひとたちは知っているのです。
そして、原っぱをちゃんと毎日知りなおしているひとたちは、地図の切れ端を集めることに追われているわたしたちよりずっと、世界を分かっているのです。


[writer:yamamomo]
| 作品のこと|銅版画 | 23:46 | comments(2) | - |
コメント
tsuguさん

世を忍ぶ仮の姿の方で長丁場の踏ん張りどころがあり・・・気がついたらまさかの1か月。すみません。

先週なんか、丸一日大阪に居た日があったんですよ。
お会いしたかったし、あそこにもあそこにも行きたかったんですが。

そんな具合でも「tsuguさん調」、日々拝読しております。
自分の感覚に戻していただいてます。
| 受付係yamamomo | 2011/12/01 12:46 AM |
この「ももこ調」を、ワタシはとても読みたいのです。
| tsugu | 2011/11/02 5:46 PM |
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