岸田真理子公式サイト「金星美術館」のblog、“準備室だより”です。作品展のスケジュールなどをお届けします。
サイト運営担当のyamamomoが作品に感じたことや引き出されたことなどを、“見る側”のひとりとして書いたりもしています。

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「光の樹」
岸田さんの近作小品シリーズ「光の樹」からの一点です。
実際はもっと、色の重なりに透明感があるのですが・・・インターネット上の画像では再現に限界があるので、色のある光が透きとおったまま重なり合っているのをイメージしてご覧ください。


  
   岸田真理子 「光の樹」 

   Special Thanks to: Ikezaki Tsuguhito



先日の台風が過ぎたあと、夕暮れどきの瀬戸内海。
島の上に広がる空に、ちょうどこんな光を見ました。

高いところに静止画のように広がる雲は、強い風と雨でみがかれた空にくっきりと浮きあがっていました。沈んでいこうとするおひさまは朱いほのおのように透きとおって、少しうるんでいるみたいでした。

透きとおったおひさまから広がる光は、透きとおった空を伝わって、透きとおったまま雲に届き、そこで、七色の透明な光になっていました。
どれほど見つめても濁りはなく、どこまでも透明な光でした。

あの夕暮れから少し時間が経ってしまったけれど、はじめて目にした透明さはすぐ胸に呼び戻すことができます。あれが、光のほんとうの姿だったのかもしれない、と思います。

風と、雨と、雲との力を借りて、ヒトははじめて光を見ることができたということでしょうか。光の樹を――きっと、生きものの世界の真ん中に立っているにちがいない光の樹を、ヒトはいつ自分の目で確かめることができるのでしょうか。

胸に呼び戻した光の中に、静かにすっと立つ樹の姿を探します。
探しているうちに、あるとき気がつくと、その根元に立っているのではないか・・・そんな気がします。




[writer:yamamomo]
| 作品のこと|ドローイング | 23:49 | comments(0) | - |
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