岸田真理子公式サイト「金星美術館」のblog、“準備室だより”です。作品展のスケジュールなどをお届けします。
サイト運営担当のyamamomoが作品に感じたことや引き出されたことなどを、“見る側”のひとりとして書いたりもしています。

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「山の川」(銅版画)
山が色づく、といえばふつうは秋の紅葉をイメージするところですが、わたしはこの季節――芽吹きの頃の、日ごと少しずつ薄緑がかってくる山を見ても“色づく”ということばが浮かんできます。


  岸田真理子 銅版画「山の川」 

   Special Thanks to: Ikezaki Tsuguhito



じわじわと、しみだしてくるような緑いろ。

いま空気にふれたばかりの葉っぱがつながっているところを――細い枝の中を、空へ向かって伸びる幹の中を、土の中の根を、思います。
黒くていいにおいのする土を伝わって、葉っぱの先までやってきた、水のことを思います。

緑の山は、ぽつりと明るく光る小さな芽の先まで、ほんとうにすみずみまで、春の水脈で満ちていきます。

山がなければ生まれない流れがあって、流れがなければ生まれないものが山を山にしている。
しみだしてくる緑の底へ、山肌がしずんでいく春の入り口。



[writer:yamamomo]
| 作品のこと|銅版画 | 23:32 | comments(0) | - |
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