2009.07.20 Monday
2005年夏 作品展“ようこそ果実園lifeへ”へのコメント

2005年の7月から9月にかけて、岡山県真庭市(勝山エリア)にある「CAFE てあ」で開かれた作品展に寄せた、岸田真理子さんのコメントです。

妹が東京に帰ってしまいました。
ふたごに生まれなければ、いま考えなかったこと。
ふたごに生まれたから、いまも知らないままでいること。
そのような事柄が集まって、世界はできていると思います。
人は変わらずにはいられないから
同じ空間、同じ景色、同じ体験、同じ記憶に
何度でも新しいものをもらうことになる。
だから世界へ、めいっぱい感覚を開放しておきたい。
流れ込んでくるものが鮮明すぎて
目を開けていられなくなったら休めばいい。
たとえばそんな、あきらめたくない私と
あきらめたくないたいせつなものの間に立っている樹のような、
岸田さんのことばです。
私とたいせつなもののどちらにも寄らず、等しくはなれて、いつもそこに。